空港の保安検査は通った。ホテルに着いて、充電しようとしてコンセントの前で止まる。プラグの形が違う、変換プラグは持ってきたけれど電圧はこれで合っているのか。電動歯ブラシの海外旅行でつまずくのは、持ち込みではなく滞在中に動かせるかのほうです。
この記事は、海外へ電動歯ブラシを持っていくときに決めることを電圧・電池・水の3つに分けて整理します。機内持込みと預け入れのルールそのものは電動歯ブラシは飛行機に持ち込める?機内持込みと預け入れのルールにまとめているので、ここでは現地に着いてからの話を扱います。
この記事の要点
- 本体は持っていける。海外で詰まるのは充電できるかの1点だけ
- 充電式は本体かACアダプタの「INPUT」表示を見る。「100-240V」なら対応、「100V」だけなら変圧器が必要。プラグの形は電圧とは別なので変換プラグは要る
- 乾電池式はコンセントにつながないので、電圧もプラグも関係しない。みらくるの本体は単4形アルカリ乾電池1本・連続180時間
- 単4形は国際規格(IEC)・日本産業規格(JIS)でR03、米国の呼び方は「AAA」。海外の店頭ではこの表記で探す
- 水は公的資料に「歯磨きの水」までは書かれていない。FORTHが書いているのは飲料水と氷の考え方まで
- 保管は濡れたまま密閉しない。本体は防水ではないので拭くだけ
海外で詰まるのは「充電」だけ
先に整理します。電動歯ブラシを海外へ持っていくときに起こりうることは3つしかありません。
| 場面 | 起きること | 関係する電源方式 |
|---|---|---|
| 空港・機内 | 持込み・預け入れの可否 | 両方(本体はどちらも可) |
| 滞在先 | 充電できない/電池が切れる | 充電式は電圧とプラグ、電池式は電池の入手 |
| 滞在先 | 濡れたまま持ち運んで衛生面が悪くなる | 両方 |
1つめは国内移動と条件が変わらないので、電動歯ブラシは飛行機に持ち込める?機内持込みと預け入れのルールのとおりです。予備電池の扱いもそこで扱っています。海外特有の話は2つめだけで、しかもそれは電源方式で中身が変わります。
充電式:見るのは「INPUT」の表示
充電式を持っていく場合、確認するのは製品ページではなく手元の本体かACアダプタに印刷されている表示です。
充電台やACアダプタの裏、本体の底面に小さく印刷されています。電圧(V)と周波数(Hz)が書かれています。
「100-240V」のように範囲で書かれていれば、その範囲の電圧に対応しています。「100V」だけなら日本の電圧専用です。
電圧に対応していても、差込口の形が合わなければ挿せません。変換プラグは電圧の問題を解決しませんし、逆に対応電圧であれば変換プラグだけで足ります。
「100V」専用の機種を変換プラグだけで200V台の地域に挿すと、電圧が合いません。この場合は変圧器が必要になります。変換プラグと変圧器は別の道具で、ここを混同したまま持っていくと現地で充電できません。
充電式で持っていく判断は、旅行の前に家でできます。ACアダプタの表示を見るだけです。現地に着いてから調べることではありません。
なお、充電が持たなくなってきた本体をそのまま長期の旅行に持ち出すと、滞在中に切れる可能性が上がります。症状の見方は電動歯ブラシの充電が持たない・電池が切れる。原因と、充電式・電池式の違いで扱っています。
電池式:電圧の話が最初から発生しない
乾電池式はコンセントにつながないので、滞在先の電圧も周波数もプラグの形も結果に影響しません。変圧器も変換プラグも、電動歯ブラシのためには要らなくなります。
みらくるの電動歯ブラシ本体は単4形アルカリ乾電池1本で動く電池式で、連続使用時間は180時間です。充電台がないので、ホテルの洗面台にコンセントが無い場合でも使い方が変わりません。
そのかわり、滞在が長いときは電池が現地で手に入るかが論点になります。ここは規格名を知っていれば解決します。
単4形は海外で「AAA」|規格名で探す
電池工業会の「電池の規格について」は、呼び方の違いをこう説明しています。
「日本ではマンガン乾電池やアルカリ乾電池などの大きさを表す呼び方は単1、単2などが一般的で、アメリカも独自の呼び方が一般的です。標準規格としては、国際規格(IEC)や日本産業規格(JIS)に定められた呼び方があります。」
同ページの表から、単4形の行を抜き出すと次のとおりです。
| 国際規格(IEC)・(JIS) | 高さ | 直径 | 日本の呼び方 | 米国の呼び方 |
|---|---|---|---|---|
| R03 | 44.5mm | 10.5mm | 単4形 | AAA |
| R6 | 50.5mm | 14.5mm | 単3形 | AA |
海外の店頭で「単4」と言っても通じませんが、「AAA」なら通じます。パッケージの表記で探す場合は「R03」を見ます。寸法について同ページは「寸法で定められているのは、最大値です。(参考値として最小値があります。)」と注記しています。
アルカリかマンガンかは、Rの前の文字で分かれます。同ページは「Rの前にアルファベットの記号を付けて電池の種類を表します。例えば、アルカリ乾電池ならば、LR6(単3形)です。」としています。この規則をあてはめると、アルカリ乾電池の単4形はR03にLが付いた形になります。
覚えるのは「AAA」の3文字だけで足ります。空港の売店でもコンビニ相当の店でも、この表記で棚を探せます。
電池そのものの扱い方(買い置きの期限、本体に入れたままにしないほうがよい場面など)は電動歯ブラシの充電が持たない・電池が切れる。原因と、充電式・電池式の違いにまとめています。電気代の観点で乾電池式と充電式を比べた話は電動歯ブラシの電気代は年間いくら?計算方法と、本当にかかるお金です。
水:公的資料に「歯磨きの水」は書かれていない
渡航先の水道水で口をすすいでよいか、という疑問が残ります。ここは正直に書いておきます。
厚生労働省検疫所(FORTH)の「食べ物・水にご注意を!」は、「旅行先での病気の多くが、食べ物・水からうつります。」として5つの項目を挙げています。
| FORTHが挙げている項目(原文) |
|---|
| 手洗いをこまめにしましょう |
| 生水を飲まないようにしましょう |
| 氷を避けるようにしましょう |
| 完全に火の通った食べ物を食べてください |
| サラダや生の野菜は避けましょう |
水についての記述はこうです。
「飲料水が汚染されていると、簡単に危険な微生物に感染してしまいます。疑わしい場合には飲まないようにしてください。ボトル入りの水が最も安全です(ふたがしっかりとされていることを確認できればベストです)。水道水の場合、最低1分間しっかりと沸騰させます(標高2000メートル以上では3分間)。水を沸騰させるための器具がない場合は、飲料水消毒用薬剤を購入して使用することを考えます。」
氷についても「氷は生水から作られている可能性があります」と書かれています。
ただし、このページには歯磨きやうがいの水についての記述はありません。当方でページ全文を確認しましたが、「歯」「うがい」のいずれも出てきません。公的資料が書いているのは飲料水と氷の考え方までです。したがってこの記事でも「歯磨きはボトル水で」とは書きません。渡航先の水の安全性が疑わしい場合は、上の飲料水の考え方と、渡航先ごとの最新情報をあわせてご確認ください。
保管:濡れたまま密閉しない
残る1つは衛生面です。旅行中は、使った直後に乾かす時間を取らずにポーチへ入れることになりがちです。
みらくるの場合、守るルールは2つだけです。ヘッド(ホルダー)は水洗いできる、本体は防水ではないので拭くだけ。本体を水に浸けたり、流水をかけたりはしません。
携帯用のキャップやケースを使う場合、濡れたまま閉じると内部が乾きません。考え方は歯ブラシの正しい保管方法。洗面所の衛生管理と旅行時の持ち運びのコツにまとめています。本体やヘッドに汚れが付いたときの落とし方は電動歯ブラシの掃除方法。本体の水垢・カビの落とし方と、やってはいけないお手入れです。
滞在が替えブラシの交換時期をまたぐ場合は、替えも持っていくほうが確実です。渡航先で同じ替えブラシが手に入る前提は置かないほうが安全です。交換の見分け方は電動歯ブラシの替えブラシ交換時期は?毛先で見分ける替え時をご覧ください。
持ち物の決め方
充電式か電池式か。電池式ならここで電圧の検討は終わりです。
「100-240V」なら変換プラグだけ。「100V」なら変圧器も要ります。
足りなければ予備を1本入れるか、現地で「AAA」を買う前提にします。
またぐなら替えブラシも1つ入れます。
濡れたまま密閉しない形にしておきます。
この5つのうち、電池式なら2番が消えます。海外旅行での電動歯ブラシの悩みは、そのほとんどが充電にひもづいています。
よくある質問
海外旅行に電動歯ブラシを持っていけますか。
持っていけます。本体は機内持込みも預け入れもでき、乾電池・ニッケル水素電池は国の資料で「非危険物」として扱われます。くわしい条件は「電動歯ブラシは飛行機に持ち込める?機内持込みと預け入れのルール」にまとめています。海外で問題になるのは持ち込みではなく、滞在中に充電できるかどうかです。
充電式の電動歯ブラシは海外のコンセントで使えますか。
機種によります。確認するのは本体かACアダプタに印刷されている「INPUT」の表示です。「100-240V」と幅で書かれていれば、その範囲の電圧に対応しています。「100V」だけなら日本専用で、変圧器が必要になります。プラグの形は電圧とは別の話なので、対応電圧であっても形状の変換プラグは要ります。
乾電池式なら電圧は気にしなくていいのですか。
はい。乾電池式はコンセントにつながないので、滞在先の電圧やプラグの形が結果に影響しません。みらくるの電動歯ブラシ本体は単4形アルカリ乾電池1本で動く電池式で、連続使用時間は180時間です。充電器も変圧器も変換プラグも持っていく必要がありません。
海外で単4電池は買えますか。
規格名で探せば買えます。電池工業会の「電池の規格について」によれば、単4形は国際規格(IEC)と日本産業規格(JIS)での呼び方がR03、米国の呼び方が「AAA」です。寸法は高さ44.5mm・直径10.5mmとされています。海外の店頭では「AAA」の表記か、パッケージの「LR03」を探すのが確実です。
「LR03」と書かれた電池で合っていますか。
電池工業会の同ページは「Rの前にアルファベットの記号を付けて電池の種類を表します。例えば、アルカリ乾電池ならば、LR6(単3形)です。」としています。この規則をあてはめると、アルカリ乾電池の単4形はR03にLが付いた形になります。表記はパッケージで確認してください。
滞在中の水道水で歯を磨いていいですか。
国の公開資料にその答えは書かれていません。厚生労働省検疫所(FORTH)の「食べ物・水にご注意を!」は「生水を飲まないようにしましょう」「氷を避けるようにしましょう」とし、「ボトル入りの水が最も安全です」「水道水の場合、最低1分間しっかりと沸騰させます(標高2000メートル以上では3分間)」と書いていますが、歯磨きやうがいの水については触れていません。渡航先の水の安全性が疑わしい場合の判断は、同ページの飲料水の考え方と、渡航先の最新情報をあわせてご確認ください。
旅行中のブラシの保管で気をつけることはありますか。
濡れたまま密閉しないことです。みらくるの場合、ヘッド(ホルダー)は水洗いできますが本体は防水ではないので拭くだけにします。保管の考え方は「歯ブラシの正しい保管方法。洗面所の衛生管理と旅行時の持ち運びのコツ」、本体のお手入れは「電動歯ブラシの掃除方法。本体の水垢・カビの落とし方と、やってはいけないお手入れ」で扱っています。
長期の滞在では替えブラシも持っていくべきですか。
滞在が交換時期をまたぐなら持っていくほうが確実です。交換の見分け方は毛先の状態で判断します。「電動歯ブラシの替えブラシ交換時期は?毛先で見分ける替え時」をご覧ください。渡航先で同じ替えブラシが手に入る前提は置かないほうが安全です。
出典
- 一般社団法人 電池工業会「電池の規格について」— 円筒形電池の国際規格と一般名称(国際規格(IEC)・(JIS)の呼び方と日本・米国の呼び方の対応表、単4形=R03/AAA、寸法44.5mm×10.5mm、Rの前に付ける記号の規則とLR6の例、寸法は最大値である旨)
- 厚生労働省検疫所(FORTH)「食べ物・水にご注意を!」— 旅行先での病気の経路、5つの項目、飲料水についての記述(ボトル入りの水、水道水の沸騰時間と標高の条件、飲料水消毒用薬剤)、氷についての記述
本記事は、公的機関および業界団体が公開している資料に書かれている内容と、当社製品の仕様を整理したものです。渡航先の水の安全性、各国の電圧・プラグ形状、航空会社ごとの取り扱いは本記事では確認していません。最新の情報は渡航先の公的機関と利用する航空会社の案内でご確認ください。充電式の電動歯ブラシの対応電圧は機種によって異なるため、お使いの製品の表示をご確認ください。
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